歌舞伎

歌舞伎座に行ってきたのだった。昼の部。

  • 狐と笛吹き
  • 高尾
  • 沓手鳥孤城落月
  • 関八州繋馬

演目は上記の通りだが、どれもおもしろくなかったのだった。

ちなみに夜の部↑。
何だか、書き物が多いなあ。夜の部の「井伊大老」もそうだし。
夜の部は全部それなりに楽しめたのだが、昼の部は微妙だった。
三月四月と、いまひとつな気がする。
おもしろいおもしろくないでいえば、コクーンの「東海道四谷怪談」の方がおもしろかった。
三月は正直「道明寺」と「二人椀久」くらいだったし、今月は例えば「伊勢音頭恋寝刃」は仁左衛門が本当に傑作でおもしろかったのだが、福助の万野がじつに不出来だった。
今まで観た万野の中で一番ダメだった。何だったんだあれは。
福助は、今月は昼も夜もだめ。「狐と笛吹き」なんて、女形じゃなくて女優みたいだった。
書き物をやるときは、やはり演出家が必要なんじゃないかと思った。
二〇〇年三〇〇年の歴史を持っているものに比べると、新歌舞伎の多くは劇作としての強度で劣っているのだと思う。もちろん傑作はたくさんあるが、もう一度照らし直さなければならないものも多いのではないか。この「狐と笛吹き」はその典型だと思った。