AV女優の演技

 長澤つぐみのコスプレもののエロビデオを見ているときに感じたのは、この子は結構お芝居がうまいのではないのかということだった。ドラマ仕立てのAVを見ていると、女優にしろ男優にしろ棒読みだわ身体は所在無さげだわでひどいことになっていることが多いのだけれど、この長澤つぐみというAV女優は少し違うと感じた。
 例えば、ファンが集まる撮影会の場面で、その場で無理矢理水着に着替えさせられるシーンがあるのだけれど、相当嫌がっているように見えるのである。AVでは「嫌々」というシチュエーションが少なくはないが、嫌なことをガチで強要しているわけではなくて、そこには台本、演出、演技がある。泣くとか、大袈裟に嫌がるとか、そういうのが一つのやり方であるように思える。ぼくはレイプものでは興奮しないタイプなので、あまり見たことがなく、あんまりあれなのだけれど。
 ところが長澤つぐみの場合はことによると本気で嫌がっているのでは思わせるに充分なのだった。大袈裟に嫌がるというよりも、ちょっとひいたような顔で眉間に皺を寄せるといった感じで、写実の芝居というか、ちょっとした動きで妙に生々しい嫌がり方をすることがある。それを見ると、ほんの一瞬ではあるが、この子は本当に嫌がっているのかしらと思ってしまう。暗い雰囲気があるんだよなこの人。
 もちろんAVはヤラセだし、ソフトオンデマンドの女優ものビデオの撮影では、本気で女優を追い詰めることはないだろうとは推測できる。だから嫌がっているのも台本通り、演出通りのはずなのだけれど、やっぱりときおり本心であるように感じられてしまう。リアリズムの芝居が達者というのは、AVにおいてはあまりよくないのかもしれない。
 そんなぼくはやっぱり紗月結花の元気はつらつなファックがいいなと思う。彼女はもっと評価されてもいい。