2007年の映画(2)

 二つにわけたのは、名画座などでリバイバルされた映画や特集上映について書こうと思ったからだった。つまり、新たに封切られた映画ではないものについて。

 この3作ですね。後述しますが他にもいい映画はいっぱいあったんですけど、印象を考えるとこの3作は強烈過ぎた。でもこの3作については度々触れているのであまり書くべきことはないかなあ。特に「追悼のざわめき」については映画館で観ろとしか言えないかなというところです。結局、イメージフォーラムアップリンクをあわせて、4、5回観ちゃったものな。そしてまた上映の機会があるのなら、足を運ぶだろうと思います。正直、DVDではあまり観る気がしない。
 他にもおもしろい映画はありました。リバイバル上映されるくらいなので、当然といえば当然ですけど。

 ここら辺は結構印象深いです。「ガルシアの首」はビデオで観た記憶があるんですけど、スクリーンに映写されるとやっぱり全然違うなと。ベニーかっけーみたいなね(笑)。そういえば桐野夏生さんの「白蛇教異端審問」にサム・ペキンパーの「ガルシアの首」についてのエッセイがあって、なかなかおもしろかったです。
 「牡丹灯籠」も「ガルシアの首」と同じく、シネマヴェーラ渋谷で観た。この映画が上映されていた10月には歌舞伎座で大西本の「怪談牡丹灯籠」が上演されていて、ちょっとした「牡丹灯籠」特集だったのを良く憶えている。映画の方はどうかなと思っていたんですけど、思っていたよりも円朝の原作に沿った形だったので良かったと思います。牡丹灯籠=お露新三郎じゃないんだってことなんですけど。そうそうこの「牡丹灯籠」は美術を見るだけでも元はとれたかなとも思いました。長屋の造形がすごかったものな。
 「百年の絶唱」については以前書いたので割愛しますが、井土監督の他の映画もすごく観たくなった。上映会がないか、機会を伺っているところです。


 2008年は、まず来月下旬に「追悼のざわめき」の松井良彦監督の最新作「どこに行くの?」、3月に入ると若松孝二監督の「実録・連合赤軍」が公開されます。今のところ大きいのはこの2本かなというところです。
 あと、もうすぐ公開の「ちーちゃんは悠久の向こう」と「ひぐらしのなく頃に」は地味に楽しみにしています。そんなに悪くはない出来になっていると思うんだけどね。


 特集上映に目を向けると、ぼくの大好きな石井聰亙監督の全映画が渋谷ユーロスペースで公開されます。

DESTROY YOURSELF All about 石井聰亙 in Tokyo
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=119

 連日21時からのレイトショーなので、可能な限り行こうと思っています。「水の中の八月」は這ってでも行くぜ。