最近読んだ本

アメリカン・ギャングスター (ハヤカワ文庫NF)

アメリカン・ギャングスター (ハヤカワ文庫NF)

テロルの決算 (文春文庫)

テロルの決算 (文春文庫)

私の男

私の男

突然訪れた天使の日―リチャード・ブローティガン詩集

突然訪れた天使の日―リチャード・ブローティガン詩集

尾形亀之助詩集 (現代詩文庫 第 2期5)

尾形亀之助詩集 (現代詩文庫 第 2期5)

どん底 (岩波文庫)

どん底 (岩波文庫)

 「アメリカン・ギャングスター」は映画がおもしろかったので読んでみた。ちょっと題名詐欺っぽいのが残念でしたが、なかなか良い読み物でした。
 あと、新潮に掲載された宮沢章夫「返却」、青山真治「見返りキメラ」などを読んだ。「返却」はいい小説だった。この手つきがいかにも宮沢さんっぽかったんですけど、ブローティガンが引用されたり、あと電車とか都市の遠景の過去と現在が浮かび上がるようなイメージが良かったなあ。
 沢木耕太郎「テロルの決算」は実にスリリングな読み物で、名著だなと思った。こんなにも読み応えのある文章を読んだのも久しぶりかもしれない。本当にいい読み物だった。右とか左とかじゃない、人間の魂と信念が交錯する瞬間を描ききった沢木さんの手腕はあっぱれとしか言いようがない。
 ブローティガンの詩集は初めて買った。ギンズバーグバロウズもそうだけれど、ビートジェネレーションの作家にはどこか共感してしまう部分があるような気がします。ドラッグはやったことないんだけどな(笑)。尾形亀之助の詩集も良かったです。でもいろんな詩人の詩集を読むたびに、とてもじゃないが、おれは詩人にはなれないと思う。ガチの詩人は住んでる世界が違うよ。
 ゴーリキーの「どん底」は今月シアターコクーンで上演されるケラ版「どん底」の予習として読んだ。