バクオン・フィルム・フェスティバル、まとめ

 5月16日金曜日から5月23日金曜日まで*1、吉祥寺のバウスシアターで開催された爆音映画祭は思い出深いものとなった。今年の春先にやはりバウスシアターで観た「ゾンビ」と「デス・プルーフ」もいい経験だったが、こうもまとめて爆音上映を経験してしまうと、もはや爆音なしでは映画を観られないのではないかと思ってしまうくらいだ。
 とにもかくにも最高なイベントだったのだけれど、中でも良かった上映作品は黒沢清演出による「風の又三郎」だった。元々NHK-BSで放送されたものなので、上のリストには入れなかった。クレジットも監督ではなく演出だったしね。しかし、そんなのはささいなことだ。これが実に怖い映像だったのだ。
 どこかの廃墟でキョンキョンが「風の又三郎」を朗読する。たったそれだけの映像作品なのだけれど、全編から何かが起こるかもしれない/何かが起こっている/何かが起こったという雰囲気がスクリーン全体に充満していて、もうこれ以上観たくない!ってくらいに怖かった。何かが映っていそうでとにかく怖いんだ(笑)。
 音楽担当の大友良英さんによる音響効果も素晴らしく、ぼく的にはケチのつけようのない50分の映像作品だった。上映終了後、すごいものを観てしまった!と思ってしまいました。あー、もう、すごかった。

*1:本当は5月24日土曜日に後夜祭オールナイトがあったのだけれど、ぼくは参加していないので金曜日でフィニッシュ。