3枚のCD+サンプラー

 若松孝二監督の映画「天使の恍惚」、「新宿マッド」、「腹貸し女」のサウンドトラックが発売になった。若松孝二傑作選として3枚同時発売。ディスクユニオンで買うと他の若松映画のテーマ曲などが収録されたサンプラーが特典でもらえるので、当然のようにディスクユニオンで買った。
 「天使の恍惚」と「新宿マッド」は今年の春先くらいにシネマヴェーラで行われた若松映画のレトロスペクティブで観たんですが、「新宿マッド」には驚いた。こんなに素晴らしい音楽だったのか! 映画を観ている間は「あー、音楽かっこいいなー」と思うくらいだったんですが、いざCDで聴いてみると狂ったような演奏の有無も言わさない迫力と自由さが本当にかっこいい。若松孝二監督の映画全般に言えるのは音響センスいいなってことなんですけど、実際のサウンドトラックがこんなにもかっこいいとは。もっとも映画では映像とのバランスがあるから、音楽を目立たせ過ぎるのはいかんので抑えているのかもしれないです。でも使われている音楽は最高にかっこいい。
 「天使の恍惚」に収録の「ここは静かな最前線」はぐっときた。「実録・連合赤軍」では渚ようこのカバー版が劇中でかかったんですが、オリジナルの横山リエ版です。唄にも山下洋輔トリオによる演奏にもとにかくしびれた。
 ジャックスによる「腹貸し女」のサントラもかっこよかったです。シネマヴェーラでの特集上映では上映されなかったけれど、機会があればこの映画も観てみたいと思った。DVDにはなっていないようなので、どこかで上映されるのを待つしかないけど。
 しかし、これらが40年くらい前の音楽なのだから恐れ入ります。

天使の恍惚(若松孝二傑作選1)

天使の恍惚(若松孝二傑作選1)

新宿マッド(若松孝二傑作選2)

新宿マッド(若松孝二傑作選2)

腹貸し女(若松孝二傑作選3)

腹貸し女(若松孝二傑作選3)