俺、大いに語る。

 リトバスのSSについて。
 むろん俺の書いたものではなく、大谷さんの「鈴と理樹」についての感想というかあのチャットの補足というか言い訳というか、とにかくそのようなもの。
 このSSではプレイの差こそあれ、鈴と理樹のセックスが描かれているんですが、そのセックス自体に魅力がなかったというのが、俺がつまらないと感じた原因でした。カットアップがどうとかそういうことの前に、セックスの段取りがうまくいっていないなと感じた。
 セックス描写というのはほとんど最少といってもいいくらい細かい動作の積み重ね、つまりはアクションだと思うので、今回の「動」というお題に対するアンサーとしては極めてまっとうな主題だと思うし、いいぞもっとやれっていう感じなんですけど、このSSではそのアクションがあんまりよくなかったなあと思う。他の人がどう書いているかはわからないんですけど、俺は書くときにできる範囲で実際に動いてみる癖があって、それはある程度はうまくいっていると思うんですが、たぶん大谷さんはそういうことをやっていない。その結果かどうかはわからんですが、アクション描写は総じて良くなかった。
 そもそも一文が長いこともあるし、引用が文章を切断していて、とにかく流れが断たれてる。それがアクションとしては良くないし、今回のお題に対してもちょっとどうかなと思った。どうしてこういうことするのっていう(笑)。もっと素直に行こうよって思うんだけど(笑)。
 もっとも、ここからは想像するしかないんですけど、どうしてこうなったかを考えると、ストレートなセックス描写へ対する抵抗というか、照れみたいなものがあったのではないかと感じた。以下、照れがあったことを前提で書きますけど、その気持ちはわからんでもないです。これも他の人はどうかわからんですけど、性描写って自分の経験が露骨に出そうでいやなんだよ(笑)。恥ずかしいというかね。そういうのあるよね。官能小説家とか、ガチの職人は気にしないんだろうけど。
 たぶん大谷さんにもそういうようなことがあって、流れを分断することで気をそらそうとしたのではないかな、そのためのカットアップだったんじゃないかと思う次第です。ただそれが逸脱にも飛躍にもつながっていなくて、はっきりというと邪魔なだけだったという印象です。ごめん。ネタ的というか、キャラ萌えに媚びてるような部分もどうかしら。もっと端的に性のアクションを!と言いたい。
 読みながら考えたのは、神代辰巳監督の「壇の浦夜枕合戦記」のこと。まあエロ喜劇なんですけど、終盤で描かれる源義経風間杜夫さん!)と建礼門院の濡れ場は全体のバランスを崩しているんだけどちょっと尋常じゃなくて、ああいうことができればなあと思うのでした。
 長々と書いたわりに要領を得ない内容になりましたが、もっとエロを!ということです。いや、違うか。違うな。どういう結論だ。でもまあ、たまには照れてる大谷さんもかわ……かわいくねーよ。