現代アメリカ文学

たまには小説で紹介しよういうことで、スティーヴ・エリクソンの「黒い時計の旅」*1だ。
実に破天荒な小説だった。
先日のオフ会で小説の話になったときに何気なく口走ったのだけれど、きっとどなたも覚えていないはずだ。(笑)
何を書いてもネタバレになってしまいそうなので、詳しく書かない方がいいね。
特に後半の展開が滅茶苦茶で、もちろんこれは誉めているのだけれど、(抽象的に書くけど)、過去のある一点から分裂した複数の現在が収束したりまた離れていったりするわけで、それをしっかりとまとめあげるエリクソンの構成力と把握能力はずば抜けているな。
笙野頼子が何かの本でこの人を誉めていたような気がするけど、何となくわかる。
この本は最近再版されて、安く買えるようになった。
要するに白水Uブックスなのだけれど、このシリーズはなかなかいいと思う。

*1:

黒い時計の旅 (白水uブックス)

黒い時計の旅 (白水uブックス)