帰り道

 横浜に行ったのは、本当に久々だった。大学が横浜にあったから、数年前まではほとんど毎日横浜にいたのだけれど。
 帰りの電車は横須賀線だったのだけれど、この車両は前と後ろの三両くらいがボックス席になっているので、一人そこに座って、窓の外をぼおっと眺めていたのだった。「モーターサイクル・ドン・キホーテ」の公演会場で購入した上演台本を読もうと思ったのだが、どうで品川から先地下に入るのだから、地上を走っているときくらいは外を見ていようと思ったのだった。
 外を眺めていると、取り留めのないことを考えてしまうのだが、今日考えていたのはおりじなるこんてすとの「僕らは分かたれたアンドロギュヌス」で、なぜ総武線が使われたのかということだった。意味なんてないんだろうが、考えてしまったのだった。それについては今度書こう。
 風景には、変わったところと変わっていないところがあった。横須賀線を使わなくなってから、今年で三年目に入る。知らんうちに変化してしまうのは、寂しいね。