リチャード・ブローティガン

 結局買ってしまった「西瓜糖の日々」*1。200ページ強で約800円ってどうなのよ。高くないか。と思っていたのだけれど、これまで三分の一くらい読んだのだが、これがなかなかおもしろい。弛緩しきった空気感というのがたまらなく心地いい。溢れる詩情が気持ちよすぎる。
 でも、どうなんだろう、ぼくはスロウライダーの「Maggie」を先に観ているから、そのイメージというのがおそらくかなり残ってしまっていて、『マーガレットがわたしにかまわないでくれたらいい』なんていう文章がまんま劇中の声で聞こえてしまったりしているわけで、それが読書としていいことなのか悪いことなのかさっぱりわからない。
 ところで、これが春樹っぽいというのなら、今のおれなら春樹すらも読み込めるのではないのかと思ってしまった。おれの春樹コンプレックス(以下オレハルコン)をどうにかするまたとないチャンスなのではないのかと思った。オレハルコンは実にやっかいだ。春樹だけじゃなくて、テイム・オブライエンまで読めないわけだから。絶対損していると思うんだよ。

*1:

西瓜糖の日々 (河出文庫)

西瓜糖の日々 (河出文庫)