フィリップ・K・ディック

 「虚空の眼」*1を読み終えたのだった。何度も言うが、最近はかなりいいペースで本を読めている。
 ディックの小説は「ブレードランナー」の原作とか、ほんの2冊か3冊くらいしか読んだことがないので、この「虚空の眼」がどれほどの位置にあるものなのかはわからぬが、なかなかおもしろい小説だった。ただ裏表紙にある筋書きはちょっと詐欺だと思った。ストーリー全然違うじゃないか。
 ところどころ、妙に笑えるのがいいね。翻訳物の会話文は理路整然とし過ぎているなと思うことが多くて、この小説もおおむねそうなのだが、それでもどこか笑える部分があるのがいい。地の文でも笑える部分がいくつかあったかな。あと中盤から後半のB級ホラーっぽくなるところは、昔からそんな映画を観て、モダンホラーを読んで育ったおれにはまったくもってたまらん展開だった。
 もう少しディックを読んでみようと思った。何がいいのかな。かな。

*1:

虚空の眼 (創元推理文庫)

虚空の眼 (創元推理文庫)