舞城王太郎

 今月発売の「新潮2007年2月号」に舞城王太郎の「ディスコ探偵水曜日」が掲載されている。
 なんだかもう半ば連載状態で、話が進んでいるかどうかもわからないというか、ウロボロス状態で、そもそも前の話を忘れかけている状態で読むものだから、余計に混乱する。そして登場人物の名前だけを見ているとカオスっぷりが著しい。舞城小説の登場人物オールスターキャスト状態で、いよいよ今月でルンババ12と西村由紀夫まで登場した。しかも連載のペースに慣れたのか、いいひきっぷりだった(笑)。第三部『解決と「○ん○ん」』は4月号で完結するようだが、楽しみで楽しみでしかたない。
 とりあえず、4月号発売までに今までの掲載分と「九十九十九」、そして「私たちは素晴らしい愛の愛の愛の愛の愛の愛の愛の中にいる。」を読み返しておくべきだと思った。
 そういえば、ぼくは今日これを電車の中で読んでいたのだが、思わず笑ってしまうような文章があった。下で引用する部分だけではなくて、他にもあったのだけれど。いつもながら、舞城王太郎の文章は何か笑える(笑)。

 俺は一歩踏みだし、二歩目から小走りになって階段を上る大爆笑を追う。ふらつく名探偵にすぐに追いつく。「よう大爆笑、大丈夫か?」と声をかけると大爆笑が振り返る。
「僕の名前は九十九十九。探偵神ですよ」
 カレーだろ。

 ここだけ引用しても何が何だかわからないかもしれないが、舞城ファンならわかるかな?、とにかく笑えた。他にも、劇団員たちの言動が相変わらずおかしくて吹きそうになった。
 第三部で終わるとは思えないのだけれど、どうなのだろう。あと100枚とか200枚とかで決着をつけられたら、それはそれですごい。いったいどうなるのか、続きが楽しみだ。あと二ヶ月……。