四月から七月まとめ

 いつの間にか六月以降の歌舞伎公演の演目が色々と出揃っているので、個人的なまとめ。

四月大歌舞伎

  • 昼の部

一、當年祝春駒
二、頼朝の死
三、男女道成寺
四、菊畑

  • 夜の部

一、実盛物語
二、二代目中村錦之助襲名披露 口上
三、角力
四、魚屋宗五郎

 四月の歌舞伎座二代目中村錦之助の襲名披露になる。楽しみなのは楽しみなのだが、問題は襲名演目の「菊畑」と「角力場」が、ぼくは苦手だということだ。oh。「菊畑」なんて二回観て、二回とも寝てしまった。ジーザス。
 四月で楽しみは、昼は「男女道成寺」、夜は「魚屋宗五郎」と、偶然にも勘三郎出演の二演目なのだった。「魚宗」はすっかり安定しているだろうけれど、仁左衛門と踊る「男女道成寺」はかなり楽しみなのである。どういう舞台になるのだろう。
 あと、子役の千之助君が登場する「実盛物語」もちょっぴり楽しみ。
 歌舞伎座ホームページの上演時間を見て追記。昼も夜も長いよ! 両方とも5時間かよ。なげーな……。

團菊祭五月大歌舞伎

  • 昼の部

一、泥棒と若殿
二、勧進帳
三、切られ与三
四、女伊達

  • 夜の部

一、女暫
二、上 雨の五郎
   下 三ツ面子守
三、め組の喧嘩

 五月の歌舞伎座は例年通りの團菊祭。何よりも「三ツ面子守」が楽しみだ。家元の舞踊ってだけでわくわくしてくる。昼の部はじめの「泥棒と若殿」は山本周五郎原作の新歌舞伎で、原作を読んでみたのだけれど、なかなかいい人情噺でこれも楽しみ。昼も夜も三津五郎に注目。
 あと、「女暫」は十七世市村羽左衛門追善で、萬次郎がシン。珍しい一幕になりそうだ。

五月大歌舞伎

  • 昼の部

一、鳴神
二、鬼平犯科帳
三、釣女

  • 夜の部

一、三笠山御殿
二、法界坊

 五月は新橋演舞場でも歌舞伎がかかる。こっちは正直夜の部ばかりが楽しみで、昼の部はそうでもない。歌舞伎で「鬼平」をやるとどうなるのかわからないけれど(笑)、あんまり期待しないでおこうと思う。
 問題は夜だ。観たい観たいと思いつつも、ここ3年くらいは上演されていない「妹背山婦女庭訓」をやっと観ることができるのでる。嬉しい。五月で一番期待しているのはこれ。
 あと、「法界坊」もかかる。以前、勘三郎出演で観たことがあるが、そのときはすこしもおもしろくなかった。ただ、役者が違えば、芝居も別物になるので、吉右衛門版だとどうなるのかを楽しみに待っていよう。「双面」も出るのね。

六月大歌舞伎

  • 昼の部

一、妹背山婦女庭訓
小松原
花渡し
吉野川

二、閻魔と政頼
三、侠客春雨傘

  • 夜の部

一、御浜御殿綱豊卿
二、盲長屋梅加賀鳶
三、船弁慶

 六月の歌舞伎座は「妹背川」の雛鳥・久我之助の悲劇のところを半通しみたいな形で出るので、何よりも楽しみである。これを観たかったのだ。幸四郎の大判事というのが気になるところだけれど。「吉野川」は両花道なので、舞台装置の視覚効果を考えるとやっぱり一階の席で観ないといかん。
 「閻魔と政頼」というのはちょっとよくわからないのだけれど、調べてみたら狂言の「政頼」の翻案っぽい。松貫四の構成・脚本はどうなんだろう。正直、いつかの「景清」は、台本としてはおもしろくなかったので、少し不安でもある。ただ役者は揃っている。
 あとは仁左衛門の「御浜御殿綱豊卿」。手堅い出来になりそうだ。去年の国立劇場での「元禄忠臣蔵」通し上演のときでも、この幕はひときわ輝いていました。

コクーン歌舞伎
三人吉三
作 河竹黙阿弥
演出・美術 串田和美

 再演である。初演は観ていないので嬉しい限りだ。映像で一部を観たことがあって、この「三人吉三」という芝居で最も有名な場面である「月も朧に白魚の〜」の名せりふのところが、廻り舞台を使ったおもしろい演出になっていて、感心した憶えがある。大詰の立ち回りではまた雪がすごそうだ。

七月大歌舞伎
NINAGAWA十二夜
原作 ウィリアム・シェイクスピア
翻訳 小田島雄志
脚本 今井豊茂
演出 蜷川幸雄

 昼夜同一狂言。2005年に初演で、今回は再演。6月に博多で上演して、翌月に歌舞伎座でも上演。前回公演と比べて、どういう変化があるのかに期待したい。
 2005年初演では、シェイクスピアであることの意識が強くて、歌舞伎らしさが薄かった記憶があります。もちろん去年の泉鏡花祭りに比べれば歌舞伎だったのだけれど。あくまで歌舞伎なのだというところが強く出れば、もっとおもしろくなるなって思った、初演時。
 たぶん、今回も無難におもしろいのだろうけれど、爆発的なものとなるかどうかは役者にかかっている、と思う。