野田秀樹

 「新潮」の今月号に野田秀樹の戯曲「THE BEE」が掲載されている。さっそく読んだのだけれど、これが実に傑作だった。「ロープ」と同じくせりふは露骨になりながらも、ト書きの部分に詩情と身体性が溢れていて、今月下旬より上演される舞台が本当に楽しみになった。どういうことになるのだろう。
 これは筒井御大の「毟り合い」が原作なのだけれど、思っていたよりも筒井康隆の筆致が残されていて、やっぱりうまいなあって思ってしまう。「走る取的」を橋爪さんと二人芝居でかつてやったのだけれど、観ることができなかったことは一生の不覚である。
 しかしこの「THE BEE」は雑誌での頁数はたったの30ページしかないのね。あんまり濃いので、もっと枚数あるのかと思った。