ライトノベル

　メンヘル的ラノベを探して、「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸」と「絶望系 閉じられた世界」を読んだ。両方とも、ぼくにとっては今一つな出来だった。
　というのも、登場人物がしゃべるしゃべる(笑)。停滞することのない洒脱な会話というのがどうにも苦手で、読んでいる間、ずっと居心地の悪さを感じていた。キャラクターを立てるということを考えすぎていて、人間の生理の部分がないがしろにされているような気がした。過剰さがどうも苦手だ。ファンタジーとかメルヘンならまだ平気なのだろうけれど。
　異常さみたいなものを描くためにも、もっと抑えてみた方が良かったのではないかと思った。めりはりというかコントラストというか、そういうのも必要だと思う。狂ってるってことじゃなくて、狂ってるんじゃないかと思わせる要素とか、いつ感情が暴発するのか、みたいな不穏さ、不安さがあれば良かった。読んでいて、「ああ、これは嫌だなあ」と思わせる部分がなかった。「こういう設定なんだ」ということで納得できてしまうのはどうかと思った。
　ただ、上に挙げたような点を全てクリアしてしまったら、それはもうラノベじゃないのではないかとも思うので、ラノベとしてはこれでいいのかな。よくわからないが、ぼくは満足はしなかった、確実に(笑)。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫)

絶望系 閉じられた世界 (電撃文庫 1078)