石井聰亙

石井聰亙作品集 DVD-BOX II ~PSYCHEDELIC YEARS~

石井聰亙作品集 DVD-BOX II ~PSYCHEDELIC YEARS~

 ぼくの大好きな映画作家である石井聰亙監督のDVD-BOX2を買ったのだった。たっぷりのインタビューが掲載されているブックレットがなかなか読み応えがあってよろしいです。DVD自体はとりあえず「水の中の八月」のメイキングだけ見た。
 ブックレットに掲載されている、石井聰亙監督が構想しながら実現しなかった映画企画群を見ながら、あらためてすげーなって思った。ウィリアム・ギブソンと企画を出しあったり、ギブソンの小説の映画化企画の監督をギブソン本人から推薦を受けたり、フィリップ・K・ディックの小説の映画化の企画だったり、いろいろあって、しかしどれも実現していないというのが悲しいね。うわ観てえと思わせるものばかりで、やるせなくなっちゃったぜ。
 何よりも「箱男」の映画化の話は、主演が永瀬正敏で、かなり具体的な話を雑誌か何かで目にしていたし、すこぶる楽しみにしていたんですが、これも頓挫……。たしか安部公房の小説を初めて読んだのも、石井監督が映画にするって知ったからだったものな。夢野久作もそうだ。「ユメノ銀河」を観てから、いろいろ読んだんだよなあ。懐かしいな。10年くらい前かな。そして、そんな思い出たちの頂点にあるのが「水の中の八月」なのかなって思う。何だかんだ石井監督の映画はいろいろきっかけになってるなあ。
 来月後半にはユーロスペースで全作上映があるので、何度か足を運ぶ予定です。やっぱりスクリーンで観たいものね。