若松孝二特集
3月中旬より渋谷の名画座シネマヴェーラで行われていた若松孝二大特集が先週終わった。若松孝二監督作だけではなく、若松プロダクションの映画特集だったわけですが、やはり印象に残ったのは若松孝二監督作だった。
- 壁の中の秘事
- 処女ゲバゲバ
- 裏切りの季節
- 新宿マッド
- 秘花
- 日本暴行暗黒史 怨獣
- 鉛の墓標
- ゆけゆけ二度目の処女
- 天使の恍惚
- 性輪廻 死にたい女
- 胎児が密猟する時
- 犯された白衣
- 性家族
上映されたのは21本だから、半分以上は観ることができたことになる。正直、全部観たかったんですけどね。やはり最も印象深かったのは「ゆけゆけ二度目の処女」だ。「雫」、「MOON.」といったエロゲの原始的な姿があったような気がしてならない。
エンタメ的には「鉛の墓標」がノワール的なアクションとして、手堅い作りでとてもおもしろかった。ひとりのチンピラが成長し、生き様の中で破滅していく。その姿をスタイリッシュに描ききった傑作だった。
その他、「処女ゲバゲバ」、「新宿マッド」、「犯された白衣」あたりは傑作だと思った。若松孝二という映画監督は赤軍の人とかの繋がりのせいで左翼の親玉みたいな見方をされがちだけれど、職人監督としてきっちり映画を撮れる監督なんだと思う。もっと評価されてもいいと思うよ、ぼくは。単純におもしろいんだ、映画として。「鉛の墓標」はその典型。本当におもしろかった。