混ぜる/混ぜない

 大谷さんのブログのこの文章を読みながら、場面転換について考えてみた。何を考えたかはくわしくは書かないけれども、最近は一人称で全く書かなくなっている。三人称の、しかも映像でいうところの寄りではなく引きを意識して書くことがほとんどで、だから場面転換はかなりはっきりした形でするようにしている。
 あ、いや、そんなことはどうでもいい。俺も一瞬で場面が切り替わっていくのは好きでしたが、映像だと切り替えるよりもたぶんワンカットでやる方が大変なので、最近はむしろワンカット性に強く惹かれます。何事も段取りですよ。
 最近観たもので決定的だったのは「アナーキー・イン・じゃぱんすけ」のラストシーン。以下、ネタバレ含む。
 ワンカットの内に時間が巻き戻って、18年前の光景が現れる。その手腕には驚かされました。アンゲロプロスの「旅芸人の記録」で歩いているだけのワンカットなのにいつの間にか数年経過しているっていうのもありましたが、あれもすごかったなあ。
 長回しをどうにか小説的にやりたいっていうのはあるんですが、こういう時間の操り方をどうにか身につけたいとも思っている。今書いている小説は本当に時系列通りに進んでいく予定なので、今書いているものには使えないですけど。同じ段落、いや同じ文章中なのに10年くらい経過しているとか、そういうことができたらすごいよね。あと360度パンとか。ああいう効果って小説では出せないものか*1
 などということをむにゃむにゃと考えながら一日は終わっていく。。……小説書かねば。

*1:「Glare」で試してみたけど、うまくいかなかった。