オリヴィエ・アサイヤス特集

 日仏学院でのオリヴィエ・アサイヤスの特集上映が始まったので、さっそく足を運んできました。時間の都合で「HHH」は次の土曜に回して、「無秩序」と「冬の子供」の2本。
 共に日本語字幕なしでの上映だったんですが、英語字幕付きの「無秩序」は特に問題なく楽しむことができました。台詞がほとんど口語だったので、見慣れない単語がほとんどなかったのが助かった。今のオリヴィエの作風とはちょっと異なっている感じでしたが、音楽の入れ方やライブの場面などはさすがのかっこよさでした。全体的には良い意味で古典的に感じましたけど。これ長編デビュー作なのかー。
 あと冒頭なんですけど、オリヴィエ本人がこの映画に対してノワールという言葉を使っているんですが、車に乗っている3人から楽器屋の場面なんて、本当にそんな感じだった。ゾクゾクしました。ちょっとフリッツ・ラングっぽかったのかな。
 「冬の子供」は配られたシノプシスを頭に入れて観たんですが、やっぱりフランス語音声だけだと完全にはわからなかった……。ストーリーがどう展開しているのかはもちろんわかるんですけど、登場人物がどういうやり取りをしているのかがわからないのがさびしい限り。フランス語がわかればなあ。音楽を入れるタイミングが例によって絶妙でした。
 終盤に「レディ・アサシン」へ飛躍することになるような場面があって、そこは本当に素晴らしいと思いました。そこだけでも何度か観たいと思った。ベタかもしれないけど、すべてを終わらせたサビーヌの表情にはぐっときました。
 あと「感傷的な運命」、「8月の終わり、9月の始め」、「HHH」は観に行く予定。オリヴィエ、いいです。