ギルマン・ストライクス・バック!

 このいかしたジャケのDVDが発売になることもあるのかないのか、PFFの招待作品として「半魚人の逆襲」が上映されました。DVD上映。特集イーストウッド!の1本として。

REVENGE OF THE CREATURE [DVD]

REVENGE OF THE CREATURE [DVD]

 半魚人大好き。理由はよくわからないんですけど、子供のときやたらと半魚人が好きでした。今もですけど。サンリオのキャラクターもハンギョドンが一番好きです。
 ユニバーサル製作による半魚人ものはぼくが知る限り、「大アマゾンの半魚人」、「半魚人の逆襲」、「半魚人われらの中を歩く」の3部作になっているはずで、この3つは全部見たことあります。「半魚人の逆襲」と「半魚人われらの中を歩く」は字幕なしで。怪奇映画とか恐怖映画というよりも、アニマルパニックものの古典って言ったほうがしっくりくる感じです。
 それで「半魚人の逆襲」なんですけど、ひどいなと思った(笑)。ひどいっていうのは映画の出来ではなくて、半魚人がかわいそうってことです。アマゾンでくつろいでいたら、いきなりやってきた白人に拉致されて、水槽に入れられ見世物にされ、教育と称して電気の棒でびりびりやられる。しまいにゃ撃ち殺されるし。もう散々。
 足に鎖を繋がれて、水槽の中で佇む半魚人の姿からは悲哀が漂ってきていて、やるせなくなりました。生物の進化から取り残された存在の悲しさがあったんですけど、製作者の目がそっちに向かっていないのが余計に悲しい。幕切れにしたって、例えば「ゴジラ」にあった、滅びゆくものの尊厳とかそういったものはここにはなくて、アメリカ映画だなあと思ってしまいました。うまく活劇にできればいいんですけど、終盤は散漫に思えた。
 無神経だなあと感じたのは、半魚人の発見を「核爆弾以来の快挙」とするせりふがあることで、核爆弾の発明はそもそも快挙じゃねーだろと思った。アメリカ人は気にしないんだろうけど、ぼくは日本人なのでこういうせりふにはやっぱり反応してしまいます。
 「半魚人われらの中を歩く The Creature Walks Among Us」を観たのはずいぶんと前の話で、全然憶えてないです。これ半魚人が洋服着るやつだったかな? やっぱり憶えてないです。ただつまんなかったってことだけは記憶の片隅にあります。この半魚人ものは、シリーズ化するにはシナリオ上の困難さがあるような気がするし、半魚人スーツの維持とかあれを着て撮影に臨むスタントマンの準備とか、いろいろ大変なんだろうなあ……。水中撮影も多いし。
 でも「半魚人の逆襲」の幕切れはみじめだし、「半魚人われらの中を歩く」は憶えてないけど大した終わり方じゃなかったに違いない*1。だからこそ、正式に半魚人ギルマンを葬るためにもちゃんとしたのを作って欲しかったです。種の絶滅っていうテーマも盛り込めるし、書けないもんかなあと思うんですが。例えば「半魚人暁に死す」とかそんな題名で。

*1:VHSのソフトはあるんだけど、今デッキがないので確認することができない……。