本のこと。

 こんな本を読んだり読もうとしたりしている。

戦う女たち――日本映画の女性アクション

戦う女たち――日本映画の女性アクション

 正確にいうと、「ロマンポルノと実録やくざ映画」はもう読み終わりました。副題に「禁じられた70年代日本映画」とある通り、けっしてロマンポルノとやくざ映画に特化した評論ではないです。それらが主軸にあるのは確かなんですけど、全体を見れば70年代の日本で制作された映画――オビにある大林宣彦監督の言葉を借りれば「廃墟の仇花」で、カバーの解説文の言葉を借りれば「異形の名画」といえる作品群が次々と論じられていく。
 正直、新書だし内容薄いんじゃないの?とか読む前はちょっとバカにしてた。ところがどっこいかなり読み応えがあるものでした。ここに収められた110本の映画にはソフト化されていないものもあり、どこかの名画座での上映を待たないと実際に観ることができないようなのも含まれているんですけど、1本1本についてしっかり書いていてくれるので、だいたいどんな映画かイメージできるようになっていました。トータルの分量を考えると、どれにどれだけの文字数を割くかということには相当丁寧な作業が求められたんじゃないかと思うし、結果かなり良いバランスになっていたと思います。
 嬉しいのはね、これはたまたまだと思うんですけど、この本で紹介されている「天使の欲望」や「女地獄 森は濡れた」が近々シネマヴェーラで上映されるってこと。この本を読んで「天使の欲望」を見たくなったんですが、シナリオは出ているみたいなんだけど、ソフトにはなっていないみたいでどうしたもんだろって思ってた。そこでシネマヴェーラの異形特集で上映されるときたのだから、やったわね!って思った。
 かつてこういう映画があったという情報があると、いざ上映が決まったとき、嬉しさを感じちゃうよね。この本を読んだことで、その機会はこれから多くなりそうです。映画体験が足りてない身にとってはとても有意義な本でした。もちろん、まっさらな状態で観て「こんな映画があったんだ」と思うこともまた楽しみではあると思うんですけど。


 「戦う女たち」は、もう買ってはあるんですが、ぺらぺらと中身に目を通した程度でまだ本格的には読んでないです。でもすげーおもしろそう。ちょいとページをめくってみて、「恐怖女子高校 暴行リンチ教室」はたまたまラピュタ阿佐ヶ谷で上映があるので行っておこうと思った。忙しくて「恐怖女子高校 女暴力教室」の上映に行けなかったことが悔やまれる……。


 あとこれはまだ買っていないんですけど、このシナリオ集は買っておかねばならぬと思っている。

 これらのシナリオが収録されていて、他にもエッセイとか対談とかが掲載されているみたい。「(秘)色情めす市場」キター! これは買わないといかんなあ、やっぱり。DVDも出てるけど、シナリオとして読んでおきたい気持ちは強い。「神代辰巳オリジナルシナリオ集」の復刊はないものかな。ねーか(笑)。
 それにしても今、こんな本が出版されるなんて! 驚きとか喜びとかでいっぱい。