日本の現代文学

阿部和重の「プラスティック・ソウル」*1を読んだ。
一週間くらい置いてもう一度読まないと細かい部分が見えてこないなあ。
いい小説だと思った。何しろ、刺激的だった。
物語に芯がなくて、同じところをぐるぐると旋回しているような小説だ。
いや本当はあるのだけれど、語り部の記憶や意思が曖昧なためにそうなってしまっている。
しかも語りの主体は次々入れ替わってしまう、本当に唐突に。
ぼくは阿部和重のこういう書き方は大好きなのだ。
阿部和重が好きな人は読んでみれば、と薦めてみる。
非常に重要な小説であることは間違いないよね。
この後に「ニッポニア・ニッポン」や「シンセミア」に至ったのだから。
アメリカの夜」とか「ABC戦争」とかが好きな人は特に。
逆に、物語に明確な落としどころを求める人は読まない方がいいんじゃないかなあ。

*1:

プラスティック・ソウル

プラスティック・ソウル