十月花形歌舞伎

十月花形歌舞伎
通し狂言 染模様恩愛御書
平成18年10月2日(月)〜26日(木)
大阪松竹座

 歌舞伎座にチラシが置いてあって幕間に眺めていたのだけれど、これはおもしろそうだ。河竹新七の作だから「籠釣瓶花街酔醒」と同じということになる。だからどうしたという感じだが、とにかくおもしろそうなのだ。
 なにしろ話の主軸が同性愛である。ガチでゲイ。和製ブロークバックマウンテン。同性愛を前面に出した歌舞伎ってあまり知らない。例えば鶴屋南北の「桜姫東文章」の発端は坊さんと稚児の同性愛だけれど、同性愛的要素は芝居が進むにつれてなくなっていくしねえ。他にはあまり浮かばない。あ、「毛抜」でホモっぽい場面があるけど、あれはバイだしなあ。あと、黙阿弥の「三人吉三廓初買」か。でも、あれは結局は八百屋お七だしなあ。やっぱり浮かばない。
 しかもこの狂言、明治に初演されたときは火事の場面で本物の火を使ったそうだ。おいおいどうなってんだよ、明治。大丈夫だったのか、そんなことして。今は消防法があるので、今回の公演では別の演出になるのだろう。でも、一度は本火の演出も観てみたいな。
 ということで、この芝居すごく観たいのだけれど、大阪か! 遠いっていうか、軽く旅になるな。この公演が成功に終われば東京でも上演の機会があるかもしれないけれど、場合によっては、また百年以上も陽の目を見なくなるのか。観に行きたいけど、金がない。大阪か。いくらかかるんだろうか。