トワイライトシンドローム

 先月あたりに公開されていた映画「トワイライトシンドローム デッドクルーズ」と「トワイライトシンドローム デッドゴーランド」のノベライズ。2作分が1冊に入っているからお得と思うか、2作合わせても1冊分にしかならなかった薄さを嘆くかは人による。ぼくはもちろん前者だ。
 小説版は前半がデッドクルーズ編、後半がデッドゴーランド編になっている。渋谷のシアターNでの上映もこの順番で二週間ごとの公開になっていたから、違和感はなかった(ぼくは映画を観てから読みました。)。ただ全体的にさらさらとしていて、怖さというのはほとんどなかった。時折やたらとグロい描写があるが、グロいのと怖いのは違うだろう。
 最大の特徴は極めて後味の悪い結末だ。正直「これはないな……」と思った。ぼくは別にハッピーエンド至上主義ではないけれど、ちょっとこれはやりすぎなのではないか。少しだけ希望があったデッドゴーランド編の余韻がぶち壊しだ。デッドクルーズ編が悲痛な分、バランスは取れていると思うんだけどな。
 あと残念だったのは、各編の主役が姉妹だってことがあまり活きていないこと。ラストをやりたいがための設定っぽいですね。それはあんまり良いことだとは思わなかった。