トワイライトシンドローム

 シアターNで公開された映画「トワイライトシンドローム デッドクルーズ」と「トワイライトシンドローム デッドゴーランド」の二部作。両方とも観て、傑作とまではいかないけれど、なかなかおもしろかったと思う。
 相当低予算だったらしく、映像や音響、さらには特殊メイク等はかなりヤバい感じだった。それでもあの手この手を使って、映画であろうとする姿勢は評価すべきだと思った。全編ではないのだけれど、たまにハッとするようなカットがあって、それを観られただけでも充分じゃないかと。
 例えばデッドゴーランド編の無人の遊園地。黒沢さんの「風の又三郎」を思わせるような雰囲気があったし、デッドクルーズ編のまだ目覚めていないクリーチャーがいる部屋に無理矢理押し入ったときのクリーチャーの「え?何?」みたいなリアクション。「悪魔のいけにえ」だよねー。
 デッドゴーランド編の幕切れは鮮やかだった。生き残った、戦友ともいえる少女二人(片方はひきこもり)が現実に帰還する。わかるのは名前だけで、どこで生きているのかもわからない。でもその思い出は確かにあって、再会はできないけれど、引きこもりの子は今までとは違う一歩を歩み出そうとする。デッドクルーズ編がバッドエンド、デッドゴーランド編が後の公開だったことを考えると、意図的に狙ったさわやかさだったと思う。けっこう好きです。