トウキョウソナタ

黒沢清監督作品
トウキョウソナタ
http://tokyosonata.com/

 感想をがっつり書こうと思ったけれど、今一つまとまらないので保留する。でもとても良い映画だったし、おもしろかったです。約2時間はあっという間でした。今これを観ないで何を観るって感じだ。あ、「アキレスと亀」もいいですけど。ちょこっとだけネタバレ感想羅列。
 子供と母親が映画の主軸として存在しているのはかつてない感じでした。黒沢映画としては変な感じもしましたが、一本の映画としては何の違和感もなかったし、家族の描き方はすごくうまかった。いろいろ言われることもありますが、なんだかんだで職人監督でもあると思うんですよ。
 父親役の香川照之さんが良かったです。ていうか役者さんはアンジャッシュの児島さんに至るまで皆さん好演でした。ただ、特に香川さんはハマってたなあ。これを役所さんがやると、公園もハローワークも通り越して廃墟に辿り着いちゃうよなとか思った。
 そうそう、段ボール、ビニール、廃墟は健在で*1、そこに到達するのはやっぱり役所さんなんですが、キョンキョンがそこにいっしょに行ってしまって、なおかつ戻ってきちゃうっていうのは新しかったように思えます。まあ、キョンキョンは国境線をあっさりまたいでしまう存在だから、戻ってくることはわかってましたけど。ショッピングモールの駐車場から出発する場面の長いカットが好き。
 あと気に入ったのは、キョンキョンが長男の部屋から次男の部屋へ移動するところ。廊下、白い壁、影、キョンキョンの歩き方が怪奇映画っぽくて良かった。

*1:海岸の小屋が実際に廃屋かどうかはともかく、廃屋の雰囲気はじゅうぶんにあった。