読書

時代小説

今読んでいるのは岡本綺堂の「江戸情話集」*1なのだった。 奇をてらったような文章ではなく、丹精で端的な文章だった。 この人は小説家だけじゃなく、歌舞伎の狂言作者としての顔も持っていた。 ぼくが実際に見たことがあるのは「鳥辺山心中」、「修善寺物語…

評論

宮沢章夫著の「チェーホフの戦争」*1を昨日読み終えた。 この本はものすごくおもしろく、刺激的な著作であるとぼくは断言したい。 批評書へ対しての感想というのは、どういう風に書けばいいのか、何だかよくわからない。 とにかくスリリングな読みの可能性を…

戯曲

日本ファンタジーノベル大賞に投稿する予定の小説がどうやら心中物になるのではないのかという漠然とした構想があって、いや構想というか最終的な落下点がそうなるなという感触があって、近松門左衛門の「曽根崎心中・冥途の飛脚 他五編」*1を買った。 初め…

評論

最近読んでいるのは宮沢章夫著の評論集「チェーホフの戦争」*1だ。 この人は劇作家であり、素晴らしいエッセイを書くので、この「チェーホフの戦争」も評論とはいっても、かなり読み易い。 チェーホフの四大戯曲*2を一通り読んでいる人ならかなり楽しめるは…

日本の現代文学

阿部和重の「プラスティック・ソウル」*1を読んだ。 一週間くらい置いてもう一度読まないと細かい部分が見えてこないなあ。 いい小説だと思った。何しろ、刺激的だった。 物語に芯がなくて、同じところをぐるぐると旋回しているような小説だ。 いや本当はあ…

日本の現代文学

バルガス=ジョサだのエリクソンだの上の方で書いているけれど、日本の小説も大好きなのだ。 西村賢太「どうで死ぬ身の一踊り」*1を読んだ。 芥川賞候補にもなったので結構有名だと思うのだけれど、どうなのだろう。 某文学界新人賞受賞作をパクって表現する…

現代アメリカ文学

たまには小説で紹介しよういうことで、スティーヴ・エリクソンの「黒い時計の旅」*1だ。 実に破天荒な小説だった。 先日のオフ会で小説の話になったときに何気なく口走ったのだけれど、きっとどなたも覚えていないはずだ。(笑) 何を書いてもネタバレになって…